都会の屋上に現れた、新しい“里山”。
ART FARM IKEJIRIが描く都市農業
世田谷の空を間近に感じる場所。旧池尻中学校跡地を活用した「HOME/WORK VILLAGE」の屋上に、都市生活者と農的ライフスタイルを繋ぐ「ART FARM IKEJIRI」がある。
ここは、単に野菜や植物を育てる場所ではありません。人と自然が共創する多様な「ART(技術)」から循環を生み、人・地域・都市・環境を再生するための「コモンズ・実験場」です。 都会の屋上にみんなで創り上げる、新しくも懐かしい“里山”のような風景が広がっています。

「区割」から「シェア」へ。
忙しい都会人のための農的ライフスタイル
ART FARM IKEJIRIが提案するのは、従来の市民農園に多く見られる「区割型」ではなく、参加者全員で農園全体を創り、管理していく「シェア型」の運営方式。プロのガーデナーとメンバーが手を取り合い、協力して農園を管理していくため、農業の経験がない初心者や、日々忙しく過ごす都市生活者であっても、気負うことなく日常的に土に触れることができます。
ここでの体験は、単なる栽培に留まらず、プランターの製作から共に行い、野菜や果物、ハーブ、さらにはホップやお米、和綿といった多様な植物を種から育てるプロセスを通じて、都市の真ん中にいながら自然の循環を肌で体感することができます。また、SHARE FARMで大切に育てられた実りは、参加メンバーで公平に分配されます。収穫の喜びを独り占めするのではなく、仲間と分かち合う。そんなシェアの精神が、都市における新しい農的ライフスタイルを形作っています。

循環を学び、味わい、文化を育てる
屋上には、多角的な「循環」を体験できるプログラムが用意されています。
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VINEYARD(ワイン用ぶどう園)
カベルネ・ソーヴィニヨンなどのワイン品種を育て、郊外のワイナリーと連携したワイン醸造も予定されています。 -
COMPOST(堆肥化)
SOIL MATEによる「コンポスト発電」や、ローカルフードサイクリング株式会社と連携した「堆肥回収会」など、循環する暮らしを学べる場となっています。 -
BEEKEEPING(都市養蜂)
給水塔の下には養蜂設備も設置。「Beeslow」による都市養蜂を通じて仲間とはちみつを味わい、その社会的意義を学びます。 -
KITCHEN & LONG TABLE
食べることは、生きること。畑で採れた野菜をその場で調理できるキッチンや、Farm to Tableを愉しめるロングテーブルが常設されています。
多彩なスペシャリスト が共創する「都会の新たな粋な文化」
運営を担う「The Art Farm 合同会社」には、植物文化研究家の石田紀佳さんや、本プロジェクトのブランディング・アドバイザーであり「Tokyo Urban Farming」の発起人でもある近藤ヒデノリさんらが参画しています。
メンバーが持つ豊富な知見と経験を活かし、週末を中心にマルシェやワークショップ、アートイベントなどを開催することで、都市農業の新たな可能性を切り拓いています。
「TOKYOでいちばん気持ちいいサードプレイスを共に創りましょう!」。この呼びかけに応えるメンバーたちの手によって、屋上のファームは、持続可能な都市生活の実現に向けた粋な文化を育み続けています。
私たち「花と大地と人と」も、世田谷という同じ地で活動する仲間として、この循環の輪に加わりながら共に地域を盛り上げていきたいと考えています。

ART FARM IKEJIRI
所在地:東京都世田谷区(旧池尻中学校跡地「HOME/WORK VILLAGE」屋上)
主な産物:野菜、果物、ハーブ、ホップ、お米、和綿、ワイン用ぶどう
運営形態:シェア型ルーフトップファーム
公式サイト:https://www.artfarmikejiri.com/
撮影日:2025.11